脳内の日本がどんどんショボくれているのに気をつけようと思った話

2021/10/28

ワクチンが世界的に普及し、日本でも新型コロナウイルスの感染者が激減しています。となればそろそろ、国を跨いだ自由な移動はいつになるのか、ということが頭に浮かびます。
とはいっても中国は今でも厳しい海外水際対策(地域によって異なるが、入国者はおおむね14〜21日間の隔離および自宅健康観察が必要)をとっており、往来はかなり厳しい状況です。この方針は少なくとも北京オリンピック終了まで続くと言われており、たとえば海外旅行などはとうてい無理な状況がしばらくは続くでしょう。
そんな中ですが、中国人にとって日本は「コロナ後に行きたい国」のナンバーワンである、という話をよく耳にします。
中国の旅行サイトCtripの調査では中国人が海外旅行解禁された後にいちばん行きたい国は日本だった(上掲記事より引用)。
もし中国において今のような制限が取っ払われたら、手近な国外旅行先として日本が選ばれることは間違いなさそうです。ある時期になって、中国人観光客がどっと日本に押し寄せるタイミングが訪れるのかもしれません。
しかし、ふと心配になったことがあります。多少の無理をしつつかなりの期間ほぼゼロコロナを維持して経済活動を回していた中国と、長い混乱期を経た日本ではもうかなり差ができてるんじゃないか? それなりの活気を保っていた中国と、停滞し疲弊が進んだ日本。もし中国からの訪日観光が再開してもそれを受け止めるだけの余力が残っていないのでは、と思ったのです。
しかし、これはもう2年も現実の日本の姿を見ていない人間の意見です。かなり的外れなことを言っているかもしれません。そこで、せっかくなので文明の利器であるSNSを使って日本の皆様にこの疑問を投げかけてみることにしました。これこそインターネットの正しい使用法です。
すると、「そこまで悲観的にならないでもいいのでは」という意見をいただきました。なるほど、と思わされるようなものもたくさんありました。

まず、そこまで街の光景がガラッと変わったわけでもないということ。インターネットを通してしか日本を見ていないため、そのあたりの想像すらできなくなっています。正直にいうと、地方の観光地などはもうゴーストタウンみたいになっているんじゃないかという感覚になってしまっている部分があります。想像でものをいうのは良くないですね。
また、「ニューノーマル」への対応としてキャッシュレス化などがとりもなおさず進んだことで、訪日外国人にとっても便利な環境が出来上がりつつあること。このあたりも、恥ずかしながら全く想像になかったことでした。日本でも変化が進んでいるという当たり前のことさえ、実際にその姿を見ていないと忘れそうになってしまいます。
ということで、Twitterを通してご指摘くださった方ありがとうございました。
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コロナが始まって往来が制限されて以来、このあたりのことは自分の中に戒めているつもりなのですが、どうも気がつくと「もうコロナで疲弊してボロボロ」みたいな、現実以上にショボくれた日本像を自分の中で無駄に肥大させてしまっています。
本当に良くないと思いつつ、実際に姿を見れない以上、もうある程度は仕方ないというか、こうして定期的に日本にいる人に聞いたり投げかけたりしてバランスを取っていくしかないのかな、という気もしています。
たぶん往来ができなくなったことによる心理的な距離感が、実際に日本に行っていない時間以上の乖離を生んでいるのでしょう。日々知り得る日本についての情報も、どうしてもバイアスがかかったまま見ている部分があると思います。
また、こういう心理を自分の中に積み重ねてしまうことによってもう一つ怖いのが、次に日本に行った時にそのバイアスを裏付ける証拠を探してしまいそうなことです。自分の認知が正しいことを確認して安心したいがために「ほら、やっぱり日本はショボくれてるじゃん」という部分を無理にでも探してしまいそうな危険を感じます。
そのような認知の先にあるのは「日本はオワコン」と必要以上に騒ぎ続けるピーキーな出羽守です。そうならないためにも、「いま自分は、心理的・物理的な距離が日本から離れた状態である」ということを自覚しておこうと思います。
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ってか、コロナさえなければこんなことになってないんですけどねー。本当にコロナが憎いわ。次に日本でコンビニおにぎりを大量に頬張ったり、ブックオフで大人買いをできるのはいつのことやら。
さっさとコロナが去ってくれることをここをから祈ります。

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