中国に何年住んでも、カボチャの種が食べられるようになりません

2021/10/16

中国に住んでだいたい6年。たいていのことには順応できるようになってきたし、言葉だっていっちょまえに話せるようになりました。食べるものに関しても最初はなかなか手が出せなかったものもありましたが、今やほとんど食べられないものはありません。
ただ、好き嫌いの問題とは別にいつまでも食べられないものがあります。それは、中国語では「瓜子gua zi」と呼ばれる、種のおやつです。
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他の国にもあるのかどうかは知らないのですが、中国ではおやつとして植物の種を食べる習慣があります。代表的なものとしては、ひまわりの種やカボチャの種などが挙げられます。
有名なのは主にナッツ類のお菓子を製造している洽洽というメーカーのもので、中国旅行などに行ったことがある人はこのひまわりの種のパッケージに見覚えがある人も多いはず(画像は淘宝のオフィシャルショップから拝借してきました)。
これはスタンダードなものですが、色々な味がつけてあるものも存在します。同じショップには、実に9種類ものバリエーションが用意されていました。チーズや蜂蜜バター、キャラメル味などがあるようです。
これだけバリエーションが出ているのですから、国民に広く愛されていると言えそうですね。実際、親戚の寄り合いなどに行くと必ず何らかの瓜子が置かれていますし、鉄道などに乗ってもこれをおやつに食べている人を必ず見かけます。
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しかしこの瓜子、食べるのに一定の技術が必要というか、ものすごくめんどくさい食べ物でもあります。
食べるためにはそのまま全体をバリバリ食うのではなく、種の中にある「身」(中国語では「肉rou」)の部分を取り出さないといけないのですが、それには以下のような手順が必要です。
①種を口に対して垂直に構える
②潰すようにして種を何度か噛み、殻をこじ開ける

③出てきた身を取り出して食べる(写真は取り出した後)
文字で書くとなんてことはないのですが、せいぜい1〜2センチの種に対してこれらの操作を行うのは意外に難しく、絶妙な力加減が要求されます。
小さい頃から瓜子に慣れ親しんできた中国のみなさんはこれをものすごいスピードで上手にやるのですが、瓜子歴の浅い外国人である僕は何度やってもこの動作がうまくできず、最後にはイライラして食べるのをやめてしまいます。
中国に来たばかりの頃は一生懸命練習しようとしましたが、最近はそれもやらなくなってしまいました。だって苦労する割に食べられる量はほんのわずかしかないし、そもそも美味しいかと言われても微妙なんだもの。
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上に写真を出したカボチャの種もずいぶん前に買ってあったものですが、僕があまりにも食べないのでずっとお菓子の棚に置きっぱなしになってなっていたものです。
このたび写真をとるにあたって引っ張り出してきたのを機にまた挑戦してみたのですが、やっぱりうまくいきません。殻と一緒に身をつぶしてしまって、貧乏くさく身をほじくり出しているとイライラと情けなさが募り、すぐに食べるのをやめたくなってしまいます。
そんな僕を尻目に、嫁は器用に次から次へと種を割っては、中の身を吸い出すようにして食べています。僕がひとつ食べ終わるまでの間に、5つくらい食べ終わっているペースです。僕は信じられないような目で嫁を見ますが、嫁は嫁で「なんでこんな簡単なことができないのかわからない」という眼差しをこちらに向けてきます。
なんだか悔しいので負け惜しみで「瓜子牙(種を割る作業のやりすぎで歯が凹型に変形する症状)」になるぞ、と脅かしてみるものの「そんなにたくさん食べないから大丈夫。それよりさっさと練習しなさい」と言い返されました。うるせー、別にたいして食べたいわけじゃないからこれからも絶対練習してやらん。
そんな休日の午後でした。

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