タイトルだけで用件が片付いてしまった感がありますが、それだけだと見に来てくれた人にさすがに申し訳ないので、がんばって文章を捻り出してみたいと思います。
SNSで定期的にバズるやつ
Twitterでは中国を紹介するにあたり、「中国の大都市はこんなに発展してる！」とやたらギラギラしたビル群を動画付きで紹介するとツイートが伸びるという法則があります（先日、それを実証されていた方がいました）。
これらがバズる背景というのは、いまTwitterにいる人々が中国に期待しているものがこれらなのだ、ということの表れなのかもしれません。すなわち、「中国はこんなに進んでる！」という驚きであったり、あるいはその裏の「それに引き換え日本はもうオワコンで……」みたいな自虐であったりといった「物語」が求められている、ということなのでしょう。
まあ、Twitterにいる人間などメインストリームから外れた隠キャラばっかりなのですし（盛大なブーメラン）、それが日本の世論を代表しているわけでもありません。だからそこにツッコむのも野暮というものですが、それだけが中国じゃないと思いますよ、と在住者の立場から言っておきたいな、というのが今日の趣旨です。
ちょっと違うタイプのキラキラ
いや、別にキラキラした中国の紹介が悪いっていうんじゃないんですよ。特に年配の日本の方だと脳内の中国へのイメージが30年くらい前で止まっていて、いまだにスト２の春麗ステージみたいなのがほとんどだと思っている人もいますし。
中国の台頭に対してあまりに何も知らず無防備な日本人が多いという状況は、もう少しなんとかした方がいいじゃないかと思うことはあります。キラキラしたビル群をもとに「中国はこんなに発展してるんだよ」ということを紹介するのにも、一定の意味はあると思います。
ただ、当たり前ですがキラキラしたビル「だけ」が中国じゃないんですよね。例えば都市部でも、微妙に都市化が進んでいない「鎮」という存在があったりします。鎮はキラキラ中国でもなければ、春麗ステージよりは発展しているかもしれない（いやでも春麗ステージみたいな光景も見かけるかも）という中途半端なところです。たぶん中国のほとんどの部分ってこの鎮みたいなところか、あとは農村地帯なんですよ。
いわゆるキラキラビル群が中国が見られるのはごく一部の都市部だけで、ほとんどの部分はキラキラしていません。いや、猥雑なネオンサインや子どもが乗る無駄にピカピカ光る汽車の乗り物などでキラキラしていることはしているのですけど、ドローンで空撮してバエる動画が撮れるようなタイプのキラキラじゃないんです。
なんで、キラキラ中国だけを見て、中国の全部が全部がこうだと思わない方がいいんじゃないかなあ、むしろ一部っすよ、とキラキラバズツイートを見るたびに思っています。
中国推し勢からは怒られがち
と、こういう話をすると、中国大好きな人からは怒られたりするんですけどね。「みっともない部分をわざわざ紹介するな」なんて言われたりして。特に中国の人は物事のマイナス面よりプラスにフォーカスする傾向にあり、プラス面をもっとよく見て！ というロジックで中国を「推し」ていたりします。
うちの嫁なんかも僕が怪しい日本語だのパチミレーだのをTwitterに嬉々としてアップしているのを見て、苦虫を噛み潰したような顔をしている時があります。そんな恥ずかしいところをわざわざ日本に広めるな、と言いたげです。
まあ僕だって、日本の恥みたいな案件（ハロウィンに渋谷で暴れる人々とか）をもとに「これが日本を代表する光景だ」と言われたら「いやそれは違うだろ」という気持ちになるだろうし、気持ちはわからないでもないのですが。
ただ、日本にもハロウィン暴徒から世界一キレイな公衆トイレまで様々な面があるのと同じように、「キラキラも非キラキラもどっちも中国」のはずなんですよね。
なのに、中国という対象を語るときにはなぜものすごく単純化された図式で「発展めざましい中国」のイメージばかりが先行している場面が多いように思っています。それって、いまだに「貧しい中国」のイメージを引きずってるジイさんと、本質的には変わらないと思うんですよ。
単純化されたイメージの中に中国を押し込めないためにも、個人的にはこれからもキラキラと非キラキラ両方の中国に注目していこうと思います。
など謎のと決意表明をして本日は終了です。それではまた。
